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タイトル | Fate/Zero Vol.3 |
| 著者 | 虚淵玄 | |
| イラスト | 武内崇 | |
| 出版 | TYPE-MOON BOOKS | |
| 発売日 | 2007年7月 |
| 執筆者:jade | 評価:S |
| コンプレックスに苛まれるウェイバーの憤り、絶対的な力の前に屈する雁夜の想い、騎士の想いが込められた“約束された勝利の剣”、誇りを踏みにじられたディルムッドの慟哭、誹りを受けることを厭わない切嗣の覚悟、似て非なるふたりアイリスフィールと舞弥の結束、父から娘へ受け継がれる遠坂の誇り、そしてついに立ち上がる最後のマスター言峰綺礼─── 発売が延びた割には、今回は300ページ弱と、1,2巻に比べて約100ページ少なく、読み始める前は一抹の不安を覚えたのですが、まったくの杞憂でしたね。次から次へと繰り広げられる血沸き肉踊るシーンの数々に、最初から最後まで身震いと鳥肌が止まりませんでした。 サブタイトル「散りゆく者たち」が示すとおり、この3巻ではマスターとそのサーヴァントたちが聖杯戦争の舞台から次々に姿を消していきます。あるものは満足気な笑みを浮かべながら、またあるものは絶望に彩られながら─── その悲喜交々な彼らの人生模様は印象深く、見るものすべてに深い感銘と共感を残すことでしょう。 とりわけディルムッドとジル・ド・レェ、対照的な二人にもたらされた対照的な最期は、非常に考えさせられるものがありました。 さて、今回は手に汗握る戦闘シーンあり、凄惨を極める壮絶な最期ありと、見所は非常に多かったのですが、私が一番印象に残ったシーンは、序盤のウェイバーとイスカンダルの問答だったりします。 イスカンダルの中に自分が追い求める理想の姿を見出したがゆえに戸惑い、自らの器の小ささに思い悩むウェイバーと、そんなウェイバーを一笑に付し、卑屈さの中に埋もれているウェイバーの輝きを見つけ、“貴様との契約は快い”と屈託なく笑うイスカンダル。 やっぱりこの二人は見ていて心地よいなぁ。 ウェイバーは、その凡俗さゆえに、非常に感情移入がしやすく、この物語の中で自分の姿を投影できる唯一のキャラなので、彼の一挙手一投足に必要以上に注目してしまうんですよね。 彼の葛藤が理解できるからこそ共感し、また、彼が自分に持っていないもの(自分を認めてくれる存在)を持っているからこそ嫉妬するって感じ。 そういうキャラを見ると、応援したくなるのが人間というもの。 このコンビがどのように敗退し、それがウェイバーにどのような影響を与えることになるのか、続きが楽しみで仕方がありません。 個人的には雁夜の活躍がほとんど見られなかったのが残念でしたが、ウェイバーやディルムッドなど、これまで注目していなかったキャラが心を掴んだことは大きな収穫でした。特にウェイバーに関しては、前述のように、自らの姿を投影するくらい大きな存在に昇格しましたからね。 今後の楽しみが増えたということは、それだけこの物語を楽しめる幅が広がったということですから、この作品の続きがますます楽しみになりました。 4巻の発売は2007年冬とのことなので、今年中の完結は難しそうなのが残念なところですが、長い目で見守りたいと思います。 |
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